兄とあたし

 中学3年になった、あたし。
 あたしは、受験するつもりはなかった。
 梅雨の時期ー。
 中学最後だから、弁論大会で、学校代表になりたかった。
 けど、題材に困った。
 いじめのことを書いて終わっていたから。
 そんな時、親戚のお姉ちゃんのことを思い出した。
 お姉ちゃんは、骨肉腫にかかり、足を失った。
 でも、優しくて、車椅子生活とは思えないほど、強い人だった。
 それが、肺に転移し、高校に行けず、亡くなってしまった…。
 あたしは、そのお姉ちゃんが大好きだった。
 だから、行けなかった高校に、あたしが入って、高校生活を、送りたくなった。
 そのことを書いたら、クラス代表までいったけど、「代表になったことがあるから。」と、落とされた。
 「受験する!」と決めたのが遅くて、担任から、「入れる高校はありません。」と言われてしまった。
 本当は、何校かあったけど…。
 母親は、焦って、塾に行かせた。
 その塾がすごくて、毎日通ってOK、高校生もいたから、高校生に聞くのもOK、手の空いてる先生に聞くのもOKのとにかく、無双なほどの塾だった。
 あたしは、毎日通って(家にいたくなかったから。)塾が閉まる、23時までいた。
 そのおかげで、成績は、かなり上がった。
 母親は、「有名私立以外行かさない。」と言ってきた。
 「(「入る高校がない。」と言われた人が、私立のトップに入れるわけがない。)」と思っていた。
 だけど、「そこ以外は、費用出さない!」とまで言われてしまったので、そこに行くしかなくなった。
 受験の日ー。
 朝から、うどんが出て来た。
 「うどんは、頭の回転いいから。」と言われた。
 鉛筆は、叔父が買って来てくれた、太宰府の鉛筆を使った。
 あたしは、何とか合格した。