そんなことを思っていたその時だった。
「今の言葉、ネットで晒したらどうなると思う?」
と言ってきた人がいた。
「……え、リュウ?」
そこにいたのは、スマホを手にしたリュウだった。……そうだ、リュウはお手洗いに行くと言っていたな。
「リュウさん……!? えっ、なんでここに……?」
荒蒔繭那は慌てた様子だった。
「荒蒔、調子に乗ってるのはお前だろ? 素人相手に何熱くなってる訳?」
リュウのその言葉は、すごく棘がある感じで、わたしにはすごく冷たい言葉に聞こえた。
「っ……べつに熱くなってなんて……!」
「なってただろ? 素人モデルをこの世界から消してやる的なニュアンスで脅してたよな?俺、さっきの話全部聞いてたけど?」
リュウの言葉は、ますます棘があった。荒蒔繭那の表情がだんだんと変わっていくのが分かった。
「ちがっ……!これは、その、ほんのジョークで……!」
「ジョーク?」