「なぁ、なでしこ」
「え、なに?」
するとリュウは、わたしの顔を見ながらこう言った。
「この仕事が終わったら、ふたりでデートしないか?」
「……え?」
デート? デート?リュウとわたしが?……ふたりで?
「ええっ! で、デート!?ふ、ふたりで!?」
「ああ。ちゃんと両想いになったんだから、ちゃんとデートしよう。ふたりで」
「……本当に? 本当にいいの?」
リュウとデート……?本当に? ものすごく嬉しい……。
「ああ。……あ、そうだ。お前、今度のデートの時に絶対にアニメキャラのTシャツなんか着てくるなよ? オタク丸出しにされるのはちょっと俺が恥ずかしいから」
リュウは冗談なのか真剣なのか分からない表情でわたしにそう言った。
「えっ!……本当に?」
わたし、私服はほとんどTシャツやジーパンばかりだから、仕事で着るような衣装みたいな服は何も持ってないのに……!? 家では本当にオタク丸出しの陰キャなのに、わたし?



