「……もういいだろ。行くぞ」
リュウは繋いだ手を引っ張った。
その数日後、まずは撮影をするためにスタッフさんやプロデューサーと打ち合わせをした。初めてやる打ち合わせにすごく緊張したし、ドキドキしたけど。リュウが付いていてくれるから、少しだけ不安も和らいだ。
「では、明日はスタイリストによる衣装合わせになります。 本日はこちらで終了です」
「はい。お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
打ち合わせを終えたわたしは、荷物を持ってスタジオから出た。リュウも心配してくれているのか、少しだけ心配そうな顔をしていた。
「なでしこ、お疲れ」
「リュウ、お疲れ様」
「どうだった?初めての打ち合わせ」
リュウはそう言うと、わたしにお水のペットボトルをほらと渡してくれた。
「ありがとう。 やっぱりちょっと緊張した。ドキドキしたよ、本当に」
「そっか。明日は衣装合わせだろ?」
「うん。スタイリストさんが、選んでくれるって」



