「何がずるいんだよ?」
 
 「……リュウ、好き」

 その言葉は、咄嗟に出てしまった。

 「……え?」

 「わたし、リュウが好き……」

 「……なでしこ?」

 「大好き、みたい……」

 「ふっ……。なんだよ、゙みたい゙って」

 リュウは子犬みたいな笑顔で少しだけ笑って、そう言っていた。

 「……リュウ、わたし」

 「なでしこ、それ以上、何も言わなくていい」

 だけどリュウは、言葉を遮った。

 「……え?」
 
 「俺も、お前も同じ気持ちだから」

 「……っ、え、え?」

 今、なんて……?

 「俺もお前と同じ気持ちだ。……お前のことが、好きだ」

 リュウのその言葉は、とても深くて。わたしは目を見開いてリュウのことを見つめるしかなかった。

 「俺には、お前しかいない。……だから、お前のことは離すなんてつもりないから。……お前は、この先もずっと俺の女だからな」

 「何それ……。上から目線……」

 「いいんだよ。お前は俺の隣にいれば」