スタジオを出たリュウは、わたしの手をぎゅっと握りしめた。 

 「……え?」

 わたしがリュウの顔を見ると、リュウは「俺たちは、恋人だろ?」そう言って歩き始めた。

 「……なんなの、もう」

 「何か言ったか?」

 「……べつに」

 リュウのことが分からない。リュウがなんでそんなふうにするのか、なんでそんなことをするのか。わたしには分からなかった。

 最近わたしって、おかしい。気が付けばリュウのことばかりを考えてしまう。それ故、リュウが誰かの物になったり、誰かと一緒にいると。なぜか心が痛む。……そして胸が痛い。苦しい。

 この感情は、なんなのだろうか……。リュウのことをこんなにも気になってしまうのって、どうしてなんだろうか……?

 「あ、そうだ、なでしこ」

 「……え? あ、何……?」

 「レンの缶バッチと、レンのコースター、欲しいか?」

 「えっ!? れ、レン!?レンの缶バッチ!?」

 何それ!欲しい!欲しいに決まってる!