「どうして? ていうか君、学生証と見た目全然違くない?」
 
 リュウは不思議そうにそう言ってわたしを見ていた。

 「……よ、余計なお世話です」
 
 今の姿は休日のわたしで。学校だとその見た目なの。

 「でもオレは、今の見た目の方が好きだけどな?」

 「はっ?」

 リュウは急に変なことを言い出した。

 「だって、今の姿って結構美人じゃん?」

 リュウはテーブルに置かれたアイスコーヒーを飲むと、一言そう言った。

 「か、からかわないでください」

 わたしはテーブルに置かれたオレンジジュースを、結局飲んでしまった。

 「本当だよ? 結構美人だと思うけど?」

 「……そうやって誰にでもそういうこと、いうんですよね?」とわたしが言うと、リュウは「そんなことないよ?」と言って笑った。

 怪しい……。どう見てもからかっているようにしない見えない。

 信じられないよ、本当に。目の前にあのリュウがいるなんて。

 ……これが夢だと思いたい。