「……はぁ、お前は本当に無茶するな」
リュウはため息をついてからそう言うとわたしの頭をポンと叩いた。
「……撮影始まる。お前はもう帰れ」
「え、なんで? わたしもここにいる」
「ダメだ。帰れ」
リュウは冷たく言い放つと、そのまま控室を出て行ってしまった。
「もう!何なの……!」
何であんな冷たいこと言うの?意味分かんない……!
わたし別に何も悪いことしてなくない?
するとその時、リュウのマネージャーがわたしに声をかけてきた。
「なでしこさん」
「え? あ、リュウのマネージャーの……」
「リュウのマネージャーの、菊田です」
「菊田、さん……?」
「リュウは、あなたことが心配なんですよ」
「え? 心配……?」
リュウが、わたしのことを心配してくれてるの……?全然そんな感じしないけどな……。
「はい。リュウはあなたのことを、とても心配していますよ。……他の誰よりも」



