「なんであなたにそんなこと言われないと、ならないわけ?」

 わたしも負けじと、荒蒔繭那に反抗した。なんて言われてもいい。とにかくわたしは、リュウが安心して撮影出来るように協力するだけ。わたしは、リュウの邪魔をする人は許さない。

 「今はわたしとリュウくん、ふたりだけの撮影なんだけど? なのになんで、あなたみたいな素人がリュウのそばにいるわけ?……すごく、目障りなんだけど」

 荒蒔繭那の口調はとても厳しい口調だった。……まるでわたしなんていなくなってしまえ、みたいな口調で、わたしにはそんな風にも聞こえた。 実際目障りだと言われているし。

 「なんでって言われても、わたしはリュウの彼女なので。……荒蒔さん、あなたもそれは知ってますよね?」

 荒蒔繭那に何を言われようと、わたしは負けたりなんてしない。リュウのために、荒蒔繭那の邪魔はさせない。

 「だったら何?彼女だったら、撮影のない時も来ていいっていうの?」

 「そうですけど?」