って……。わたし、なんてこと思ってるの!? なんでそんなこと思ってるんだろう……!?

 意味分からない!何でなのー……!!

 なんだ、この感情は。なんでこんなことを思ってしまうんだ? ええ、どうしたんだろうわたし!

 頭の中がグチャグチャで混乱してしまう。とにかく頭の中をリセットしたくて、わたしは一度スタジオから出た。

 自販機でお茶を買って、もう一度スタジオに戻ろうとしたその時だった。「ねぇ、ちょっと」と声をかけられた。

 もう声の主で分かる。この声は、荒蒔繭那本人だ。どうせまたわたしに、嫌味でも言うつもりなんだろう。 そうは思ったけど、口にしたりはしなかった。

 「……はい。なんでしょうか?」

 荒蒔繭那の方に体を向けると、荒蒔繭那は腕を組みながらわたしの方を見ていた。

 「ねぇ、リュウくんに近づかないでくれる? 目障りなんだけど」

 思ったとおりだ。荒蒔繭那は、わたしにとことん嫌味を言うつもりだ。まぁ、覚悟はしてたけど。