「ーーー確かにあなたは可愛くて、美人ね？」

　わたしに放たれたその言葉は、まるでわたしを見下すかのような冷たい言葉だった。

　「は、はぁ……」
　
　荒蒔繭那が何を言いたいのか、すぐに分かった。きっと荒蒔繭那は、わたしがリュウに相応しくないのだと言いたいんだろう。
　
　そんなのは分かっている。わたしだって同じことを思っている。

　「なんでリュウは、あなたみたいな人がいいのかしらね？　不思議だわ」

　荒蒔繭那はそう言い放つと、わたしの前から歩いて行ってしまった。そしてニコニコと笑顔を向けて、リュウのそばへと近寄っていた。

　やっぱり荒蒔繭那は、リュウのことを気にしているみたいだった。噂でスタッフが話しているのを聞いたけど、荒蒔繭那はリュウのことを気にしているようで、今回のオファーも荒蒔繭那が直接プロデューサーにお願いしたのだと聞いた。

　きっとリュウを、自分に振り向かせたい一心なのではないかと、他のスタッフは察したようだった。