そして社長さんはそのまま言葉を続けた。
「リュウは必ずあなたを素晴らしいモデルにすると自信があるんでしょうから。 今回は特別に事務所に入れてあげるわ」
「………えっ?」
えっ、えっ、えっ!? 今なんて言ったの?
「ただし、少しでもあなたに見込みがないと分かったその時は。……あなたを解雇するわ」
社長さんはそう言うと、そのままわたしたちの前から出て行ってしまった。
「ええっ?」
「良かったな、なでしこ。これでオレとも一緒に仕事ができるな?」
「…………」
えっ、えっ? ええっ!?
何?わたし本当にモデルになるために事務所に入らないといけないの?!
そ、そんなのイヤだ……!
「てことでなでしこ。今日からバシバシ鍛えてやるから、覚悟しておけよ? 俺が必ず、お前を人気のファッションモデルにしてやる。 必ず、な?」
リュウはそう言うと、そのまま静かに顔を近づきてきた。……そしてそのまま、わたしの唇を奪ったのだった。



