「OK!じゃあ少し休憩しよっか!」と言ったカメラマンの言葉に、リュウは「はい」と答えた。
そしてわたしに気づいたリュウは、そのままわたしのそばに来た。
「なでしこ。待ってたよ」
「リュウ。これ、どういうこと? 何でわたしをこんなとこに呼び出したの?」
「それはちょっとね?」と言ったリュウは、カメラマンにわたしを紹介するからと腕を引っ張った。
「細田さん、紹介します。なでしこです」
「あっ、もしかして、あの記事の彼女?」
「はい」
「あれ?でもさ、写真と全然見た目違くない?」
「彼女、普段はもともとこういう感じなんです。 休日の時だけあの写真のような格好をしているんです」
「あ、そうなの?」
リュウとカメラマンは、親しげにそう話していた。わたしはそれを黙って見ていることしか出来なかった。
「で? この子をこの世界に入れたいって?」
「はい。オレのそばに置いておきたいので」
……はっ?えっ、ええ? 何?どういうこと?



