リュウの偽彼女になってから早一週間。リュウの話だと、まだ記者がリュウを見張っているらしい。

 そんな時、リュウから突然連絡がきた。

 「もしもし?」と電話に出ると、リュウは「なでしこ、ちょっと出てこれるか?」と言った。

 「えっ?何ですか?」と聞くと、リュウは「ちょっと話がある」と言った。
  
 「話?」

 「ああ。地図を送るから、そこに来てくれ」

 「ええ?」

 そう言うなり、リュウは電話を切ってしまった。

 そしてスマホに送られてきた地図を開くと、そこはよく分からない場所だった。

 とりあえず服を着替え、その地図の書いてある場所へと向かった。
 
 熱愛スキャンダルの一件もあるため、わたしはいつもよう地味ーな格好で行くことにした。
  
 正直わたしの顔も知られているので、あの格好で行くわけにはいかない。

 地味な服でいつもようにしておけば、誰もあのスキャンダルの相手がわたしだとは思わないだろうと思った。……た、たぶん、だけどね。