「これからあまり会える時間、なくなっちゃうかもね」
「なんでだ?」
「だってリュウも、この先たくさん仕事の予定入ってるし。……わたしも、少しずつ仕事増えてきたから」
なんとなくそう思うようになって、寂しい気持ちもあった。いつも辛い時、悲しい時、誰よりもそばにいてくれたのはリュウだったから。
リュウの優しさで、わたしはいつも勇気と元気をもらっているんだ。わたしにとっては、本当に何よりも大切な存在。
「そうだな。でもちゃんと、会えるときは会おう。時間作るし、俺。堂々とデート、しよう」
「うん。わたしもそう言おうと思ってた」
リュウとは相思相愛、みたいな所があるのかもしれない。思ってたことが一緒だと、本当に嬉しいし。
「なあ、なでしこ」
「なに?」
「ひとつ提案があるんだけど」
と、リュウはわたしに言った。
「提案?」
「そう。……俺とずっと一緒にいられる方法がひとつだけあるんだ」
「え、なに?」
「俺の妻になること」



