「いらっしゃいませ〜」お店の中に入ると店員さんが声をかけてくれた。

 リュウがいることを確認すると、リュウは一番端のテーブル席に座っていた。そしてわたしに気がつくと、こっちだと言わんばかりに手を上げた。

 「なでしこ、待ってたよ」
  
 「……遅くなってすみません」

 「ううん。座って?」とリュウに言われて、静かにリュウの目の前に座った。

 「オレンジジュースでいいよね?」と言われて「はい」と答えると、リュウはオレンジジュースとカフェラテを注文した。

 「リュウ、テレビ見たよ」と口を開くと、「そっか?オレかっこよかった?」とイタズラ気に聞いてきた。

 「はっ? 何言ってんの?」

 「冗談だよ。で?あの話、どうするの?」と聞かれたわたしは、「本当はイヤだけど……。仕方ないから、彼女になる。 あ、フリだけど」と言った。

 「良かった。 じゃあはい。約束のこれ」
 
 と目の前に置かれたあの時からずっと欲しかったアクリルスタンド。やった!レンのアクリルスタンドだ!