「そうそう、早速本題に入るわね?」

「はい」

 わたしたちは向き合うようにして座った。そして打ち合わせを始めた。

「今回の映画のコンセプトは、夢心地です」

「夢心地?」

「そう。映画界としては珍しい、ファン応援システムを導入する予定です」

 と、春木さんは資料を見ながらそう説明してくれた。

「ファン応援システム?」

 え〜なんだろう、それ! めちゃくちゃ気になるっ!

「はい。ファンがドームなどのライブに来たような感覚で、ペンライトを降ったり、お気に入りのキャラが出たら応援してもいい!というシステムです。 ファンの子は、お気に入りのアイドルをいつだって応援したくなるでしょ?」

「はいっ!」

 まさにその通りだよ!わたしもとことん、西園寺レンを応援している。そして夢を見させてもらってもらっている。

「それを、映画館の中で行うというシステムを導入する予定です。映画の公開は来年の3月を予定しています」  
 
「来年の3月……」