と、久喜は嬉しそうに言ったのだった。

「え? 声優!?」

 わたしは思わず、久喜の方に振り返った。

「なでしこさん!動かないの!」

「あ、す、すいません……」

 わたしのアニメオタクという本能が、まさに呼び起こされそうだった。ちょっと興奮していたのは、間違いないだろう。

「その声優というのが、あの有名なアイドル☆プリンセス☆のアニメ映画だそうですよ?」

「…………。え、え、ええっ!?」

 あ、アイドル☆プリンセス☆!? あの!?

「う、ウソでしょ!?」

「本当ですよ? プロデューサーから、直々にオファーがありましたから」

 わたしが根っからのアニメオタクで、何よりもアイドル☆プリンセス☆が大好きで、押しキャラがいるということを露知らずに、久喜は淡々と話を続けた。

「ええ!? プロデューサーから!?」

「はい。なでしこさんの声を気に入ってくださったようですよ?」

 う、嬉しい!!嬉しすぎる!! まさかのこれは夢?現実?……ウソみたい。信じられない!!