それから数日後、写真家西川美玖と直接挨拶を交わした。
「西川さん、なでしこです。本日は西川さんに撮っていただけるなんて光栄です。 よろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくね〜。じゃあ早速準備するわね。 10分後に撮影始めましょうか」
「はい」
そして10分後、雑誌のメイク特集の撮影が早速始まった。
カメラのシャッターを切る音がスタジオ内に響き渡っていく。わたしは西川さんの掛け声で、その雰囲気に合わせた撮影をした。
「なでしこちゃん、もっと右向いてくれる?」
「はい」
「ありがとう。次は少し斜め左向いてくれる?」
「はい」
西川さんの撮影方法は独特で、妖艶な雰囲気のものもあれば、明るくて爽やかな雰囲気のもののあった。特に妖艶な雰囲気は、今までした撮影の中でも初めてやる撮影で、女性らしいかつ、大人っぽさを表現するのがすごく難しかった。
改めて表現するのって、難しいんだなって思った。思うように出来なくて悩んだりもするし。



