そしてリュウは、力強く彼に向かってそう言った。

「……リュウ」

「あっそ。……まぁいいけど。その時は、奪うだけだし」

「そんなことはさせない。 行くぞ、なでしこ」

「え? あ……リュウ!?」

 リュウはわたしの手を引っ張って歩き出した。

「ちょ、ちょっとリュ……んんっ」

 リュウはそのまま腕を引っ張って控室へ入ると、そのまま強引にキスしてきた。

「んっ……ちょっと……。リュウ?」

 それは今までされたことのないような、強引なキスだった。

「……なでしこ、好きだ」

 そしてリュウは、わたしの頬を撫でながらそう言葉を口にした。だけどそう言ってくれた言葉は優しくて……。

「リュウ……わたしも好きだよ?」
 
「お前のこと、あんなヤツには渡さない」

「えっ、ちょっ……」

 リュウはまた、そのまま唇を奪ってきた。だけどわたしは、そのまま目を閉じてリュウのキスを受け入れた。

 だってわたしも、リュウのことが好きだから。……リュウのことだけ、見てるから。