制服を購入し、編入手続きを終えてしばらくしてから学校に編入した。編入と言っても、結局の所は芸能コースになるので、知ってる人も何人かいた。

 「初めまして。今日からこちらのクラスに編入することになりました。山桜なでしこと言います。 よろしくお願いします」

 編入の挨拶をしたけど、みんななんかシーンとしていた。……あれ?なんか、シーンとしてる?

 「よろしくな、山桜。席は一番後ろの窓際の席だ」

 「はい」

 言われた通りの席に座ると、ふと隣を見た。 隣に座っていたのは、あの時共演した俳優さんだった。

 「あ、あの時の……」

 「あ、どうも……。よろしく、山桜さん」

 「は、はい。……よろしくお願い、します」

 どうも緊張してしまう。一度共演したとはいえ、緊張した時間は短いので、そんなに仲良くもなかった。 荒蒔繭那の元カレ役で、わたしはその人に告白される役だったけれど、まさかまたここで会うことになるとは……。