「あ~レン〜!」

 待っててね、レン!必ず新しいクッションカバー買ってあげるからね!と心の中で念を唱えた。

 「やばっ、もう行かなきゃ……!」

 そんなこんなしているうちに時間が来てしまって、慌ててわたしは荷物を持って家を出た。

 リュウと待ち合わせしたのは、ある噴水の下だ。 なんか待ち合わせしてると、デートみたいだなって思うけど、緊張してしまう。

 「リュウ……!」

 「お、なでしこ」

 「ごめん、待たせて」

 「いや、全然」

 リュウはポケットに手を入れたまま、壁に寄りかかって待っていた。

 「へぇ?……可愛いじゃん」

 「え、そうかな?」

 「おう。俺はいいと思うけどな?」

 そうやってリュウは、いつもわたしを褒めてくれる。だからわたしは、それだけで勇気をもらえる。

 「……ありがとう、リュウ」

 「よし、じゃあ制服買いに行くか」

 「うん。行こう」

 わたしたちは、そのまま制服を買いに向かった。