「もしもし、リュウ?」
その時、リュウから電話がかかってきた。
「あ、なでしこ? メール見たか?」
「うん、見たよ。ありがとうね」
「不安なことがあれば、何でも言ってくれ」
そんなリュウの優しさに、わたしはいつも感謝している。
「うん。……ありがとう、リュウ」
新しく入るクラスはどんな風になるのかは分からないけれど、わたしはそこで一生懸命頑張るつもりだ。学校も、仕事も、レッスンも。全部、諦めずに頑張る。
「もし誰かに何か言われても、気にしなくていいからな? どうせ何かを言うヤツは、お前のことを妬んでるヤツらだから。気にしなくていい」
「……うん、分かった」
「それと……。もうこれからは、地味な格好はやめて、ずっとモデルの姿のままでいること」
そしてリュウは、わたしにそう言い残した。
「え……。えっ!?」
な、なんで? なんでダメなの……?
「お前が地味な格好することは、一般人だと言ってるのと同じことだ」



