俺、どうしてこんなにホッとしてるんだろう。 陽茉ちゃんが橘くんと付き合っていないって分かって、うれしいから、だよな。 って、ことは……。 「そっかあ。…………はー」 「ど、どうかしましたか?」 「いや、自分がけっこう重症だったことに、気づいただけ」 入学式の日から、なんとなく陽茉ちゃんに構っていたつもりだったけど…… 俺はいつの間にか、彼女にずいぶんと夢中になっていたらしい。 ――他の男には渡したくないって思うくらいに……。