「オーケー。じゃあ、君の名前は?」 「……陽茉です。蓮井陽茉」 「陽茉ちゃんか。名前もかわいいね」 「あ、ありがとうございます……?」 先輩ったら、女の子みたいに「かわいい」って連呼してくるなあ。 「じゃあ陽茉ちゃん、さっそくだけど――」 先輩の手が私の肩にふれて、鼓動が少し跳ねる。 ……だ、『だけど』、なに? 「入学式、ヤバいんじゃない?」