Side 李世

波乱の(?)自然教室が幕を閉じて、数日後。



単にタイミングが合わないというのを大きいけど、あれから陽茉ちゃんと顔を合わせていない。


あと、ちょっと気恥ずかしさがあるというか……。



二日目の夜、俺はとうとう陽茉ちゃんにキスしてしまった。



キラキラと目を輝かせて、ランタンが浮かぶ夜空を見上げる陽茉ちゃんがかわいくて、誰にも見られたくなくて……。



唇を離した瞬間我に返り、性急だったと焦ったけど、鈍感な陽茉ちゃんにはあれくらいしておいた方が結果的にはよかったのかも。



でも、そろそろまた陽茉ちゃんと話したいと思っていた矢先だった。



昼休み明けの授業が終わると、青矢がかわいらしいデザインの封筒を手渡してきた。




「これ、蓮井からお前にって」

「え、陽茉ちゃん⁉え、え、いつの間に⁉」


「昼休み、教室の前をうろついていたんだ。話しかけたら、お前に渡してほしいって」

「ちょっと青矢―、俺に声かけてよ!直接受け取りたかったのに」

「悪い。次の時間当てられると言っていたから、その予習かと思ってな」

「あー、確かにそうだったけど~」


「それに……蓮井の様子が少しおかしい気がしてな」


「えっ……」


不穏な言葉に、胸が飛び上がる。



……もしかして、いきなりキスしてしまったこと、怒ってるんだろうか。


そうだとしたら、土下座してでも謝らないと。