この小説は、夏休みにわたしが書いた四作の中から純也さんが選んでくれた一作です。彼には本当に、感謝しかありません!
 わたしとおじさま、そして純也さんの夢が早くも叶いました。しばらくは雑誌に短編が載るくらいですけど、いつかは単行本も出してもらえるように、わたし頑張ります! その時には、ぜひ買って下さいね。
 短いですけど、今回はこのお知らせだけで失礼します。テストの結果、楽しみにしてて下さい。奨学生になったんですから、絶対に優秀な成績を取ってみせますよ!

             十月十八日    作家デビュー決定の愛美』

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「――よし、こんなモンでいいかな。純也さんには、珠莉ちゃんが知らせてくれるって言ってたし」

 これまで純也さんのことをさんざん書いてきたのに、いきなりそれをやめてしまったら、〝あしながおじさん〟も首を捻るだろう。そして、勘繰るに違いない。「もしや、自分の正体がバレてしまったのでは?」と。
 だから、これでいい。――愛美は一人頷いた。