(コレって、純也さんと話してたことと何か関係あるのかな……?)

 愛美はふとそう思った。確信はないけれど、何となくそう思ったのだ。

 珠莉は何か、純也さんの秘密を知っている。それが何なのかはまだ分からないけれど。そして多分、彼女はその秘密を自身の口からは教えてくれないだろう。叔父が自ら打ち明けるまで。

(本人が打ち明けてくれるまで、待つしかないか……)

 モヤモヤしながらも、愛美は自分の恋がほんの少しだけ進展を見せかけていることに喜びを感じていた。

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『拝啓、あしながおじさん。

 お元気ですか? わたしは今日も元気です。
 今日の放課後、珠莉ちゃんの叔父さんが寮に遊びに来ました。高級パティスリーで買ってきたっていう、チョコレートケーキ1ホールを持って。
 チョコスイーツ好きのさやかちゃんはもうそれだけで喜んじゃって、わたしも純也さんが会いに来て下さったのが嬉しくて。そのままわたしたちのお部屋で、四人でお茶会をしようってことになりました。
 ケーキは純也さん自らが切り分けて下さって、一人二切れずつ頂きました。
 純也さんはわたしが冬に入院してたことを、珠莉ちゃんから聞いてたらしくて。心配して来て下さったそうです。でも、わたしの元気な姿をご覧になって、ホッとされたみたいです。
 みんなで色んなお話をしました。っていっても、ほとんどわたしと純也さんばかりお喋りしてたんですけど(笑)
 農園でのこと、純也さんの子供の頃のこと、わたしの小説がコンテストで大賞を頂いたこと、そして純也さん自身のこと……。
 純也さんは、おじさまのことをご存じみたいです。同じNPO法人で活動されてるっておっしゃってました。おじさまが初めて女の子を援助されることは伺ってたけど、それがわたしのことだと知って驚いたって。こんな偶然ってあるんですね。