青薔薇の至愛




急な甘い言葉は心臓にすごく悪くて。
溶け始めたアイスに気づかず、ボーッと朱ちゃんを見ていたら、「溶けてる溶けてる」と笑われるから、どこまでいっても私の方が余裕ないくらい好きみたい。



幸せな時間がずっと続けばいいのに。


空を見上げると、辺りは薄暗くなってきて、朱ちゃんが座っていたブランコから立ち上がる。



「そろそろ帰るか。」


「うん」



まだ一緒にいたいのに。

名残惜しさに、私もスカートを手で押さえながら立ち上がると揉めている様な人の声がうっすら聞こえてきた。



どうやら聞き間違いじゃないみたい。
朱ちゃんにも聞こえていたみたいで「なんだ?」と声のする方に歩いていくからその背中についていった。



すると。



「別れるって言ったのに……いい加減しつこい!」


「メッセージで別れ話するとか、何が不満なわけ?
 理由言ってくれないとわかんねーだろ」



「言ったら怒るでしょ……。
 とにかく、お願いだから別れてよ」


「……っ、お前から告白してきたくせに振るとか、生意気だな!」