クスクスと笑いながら朱ちゃんはレジに色違いのアイスを二個持っていく。
おばあちゃんはジロジロと私たち二人の顔を見ては、思い出したと目を大きく見開いて、「久しぶりね、あんた達!大きくなったわね~。」と笑っていた。
おばあちゃんと思出話を少しだけして駄菓子屋から出ると、すぐ近くの小さな公園で朱ちゃんと二人アイスを食べながらブランコに乗った。
「んー!懐かしいね、この味」
「イチゴ味一個しかなくて残念だな」
「えっ、朱ちゃんもイチゴ食べたかったの??
まだ一口しかかじってないから、交換しよ!
ごめんね気づかなくて」
「いや、いい。元々優に食べさせたくて買ったわけだし、俺のはついで。
あー、でもちょっと懐かしさに浸りたいから一口だけちょうだい」
「うん!」
朱ちゃんの口元にアイスを持っていくと、フニッと私のかじった部分が唇に触れる。
深く考えていなかった……これって間接キスだ。
意識した途端に、胸がドキドキ鳴っちゃう。
朱ちゃんはシャリっといい音を鳴らし、アイスを食べると、バチッと目が合うから咄嗟に逸らした。



