青薔薇の至愛




「何した?って、全然覚えてないなー。
 まあ振られたならしょうがないじゃん?
 次行けよ次。
 よく分からんがバスケ部ってモテんじゃん??
 お前なら他に、素敵な彼女見つかるって」



「お前のそういう軽いとこが嫌いなんだよ」



「へぇー、でも俺結構お前のそういう粘着質なとこ好きよ?
 毎回なにかと喧嘩吹っ掛けてきて、よく飽きないなーって感心しちゃう」


「バカにしてるだろ!」


「てへ、バレちった??」




火に油を注ぐ朱ちゃんに、皐月先輩は「京堂ーーっ!!」と、二階にいる私の耳の奥を刺激するくらい大声で叫んでいる。



あ、朱ちゃんってば煽る様なこと言って……見てるこっちがハラハラしちゃう。



皐月先輩が脇に挟んでいたバスケットボールを朱ちゃんに投げると、口を開く。




「悪いな京堂。
 俺も彼女取られてショックで、何より恥かいてんだよ。
 この大勢の中でお前にも恥かいてもらうぜ?」


「んー?なに、俺、今から皐月とバスケで勝負ってこと?」


「そうだ。得意分野でいかせてもらう」



「はぁー、往生際がいいんだか悪いんだか分かんないねお前も」



「うるせぇ!!
 なんでお前みたいな軽い奴がモテるのか、俺にはいまいち分からん!」


「俺めちゃくちゃ重いぞ~、知らねーだろ??」



「嘘つくな!このチャラ男め、悪は成敗する!!
 俺から点取れたら、お前の勝ちでいいぞ」