「朝井さん、振られたって言ってたけど。まだあの人のことが好きなんだね」
「えっ?!だってまだ振られて数日しか経ってないもん」
「へぇー、そうなんだ。でもとても振られた様には見えないけどね。
あの人のあの態度はどう見てもお兄さんとしての態度じゃないから、まだ望みはあると思うよ」
「……」
「はじめましての俺が言うんだから、間違いないね」
ニッコリと笑う藤永君に、恋愛事情をすべて見透かされているような気がして恥ずかしい。
待っていたペットボトルが落ちる。
慌てて取ろうとしゃがむと、藤永君も拾おうとして同時に腰を落とすからお互いのオデコがゴツンとぶつかって小さな悲鳴をあげた。
「いっ……たぁ!」
「ご、ごめん。朝井さん大丈夫??」
「う、うん大丈夫。藤永君は?」
「俺もだいーー」
藤永君が言い掛けた時、誰かに腕を勢いよく引っ張られた。



