気が気じゃない朱ちゃんのことなんて知りもせずに、私は自動販売機のボタンを押して藤永君と二人、戻る前に少しだけ喋っていた。
「さっきの話の続きなんだけど」
「え?」
「彼氏じゃないって言ってたよね?
じゃあやっぱり、お兄さん?」
「お兄ちゃんでもなくて……。
というか、やっぱりお兄ちゃんに見える?」
「ん?」
朱ちゃんと隣に立ってると、他人の目から見て自分はやっぱり妹としてしか見られてないくらい幼いんじゃないかって自信をなくしちゃう……。
そういえば、私が中学三年生の頃、朱ちゃんは高校一年生で、学校が離れちゃって彼女が出来ないか心配だった時に
『女の子って柔らかくて、かわいーよね』
不安になるようなこと呟くんだもん。
あの発言のお陰で勉強頑張れたけど……ちょっとトラウマになっちゃって、人にどう思われてもいいから朱ちゃんの隣から離れられなくなっちゃったんだっけ。
朱ちゃんの隣を独り占めできる関係だからって、朱ちゃんに彼女ができないよう牽制してるのは私で、本当の邪魔物は私だったらって考えると……すごく辛いかも。



