近すぎる距離にさっきからフワフワと香る朱ちゃんの匂いが、私の心臓の鼓動を早めて、爆発へと導く。
朱ちゃん分かってるの。
私、告白した相手なんだよ??
なんで簡単に触れてくるの。
ちょっと無防備すぎないかな??
「とーこーろーでー。優乃とさっきから仲が良さそうな爽やか少年君は誰かな~?」
朱ちゃんが私の肩を抱き寄せたまま、ニッコリと黒い笑みを浮かべて藤永君を見る。
「あっ、はい。俺藤永って言います。
えっと、朝井さんのお兄さん……?」
「誰がお兄さんじゃ。
優とはな小さい頃からの仲で、コイツの風呂だって俺が面倒見て……」
「わー!!!そういうこと人前で言わないでよ~!
小さい頃の話でしょ!!」
「お前が『朱ちゃんとはもうお風呂入らないから』って小学3年生の時いきなり俺に冷たい態度とったんじゃねーか。
あの頃のお前は俺の心を深く傷つけた。」
「当たり前だよ、いくつだと思ってるの!
毎日毎日私のこと子供扱いして!!」
「いや、俺らガキだったろう、あの頃は」



