「こ、こう?」
「うん、立ち位置も変えた方がいいかも。
そうそう、それで投げてみて」
「わかった……!」
藤永君の言う通りにすると、さっきまで掠りもしなかったボールが数個ピンが倒れた。
「わあ……!すごいすごい初めて倒した!!
ありがとう、藤永君!!」
「どういたしまして」
嬉しくて無意識に藤永君にハイタッチしてしまう。
「な、なんかあの二人いい感じじゃない?」
「うんうん、優乃ちゃん楽しそう」
聞こえない程度にコソコソと話す芽愛ちゃんと葉純ちゃん。
横のレーンにいる朱ちゃんが不機嫌に座っていることに気づかないまま私は藤永君にもう一度教えてもらおうとボールを持って構えようとすると。
突然、誰かに肩を抱き寄せられた。
「あ、朱ちゃん!?」
「ゆ~う?俺に内緒で放課後男と2人で遊びに行くなんて、お前はいつから不良娘になったんだ?」
「ふ、二人?!
違うよ、芽愛ちゃん達も一緒だよ!」
「いま、立っている場所で、居るのは君ら二人だけだ。
どういうことか、お兄ちゃんに説明してもらいたい」
「お兄ちゃんじゃないし、朱ちゃんには関係ないよ!!」
「ギャー、俺の優が反抗期だわよ~~!!」



