青薔薇の至愛




動揺したとはいえ、泉先輩から逃げるように教室をあとにした。


続けてドジを踏んだ私に、笑っていいのかどうなのか。朱ちゃんは隣で「たんこぶ出来ないといいな」と呟く。


顔が熱くなるほどの羞恥に耐えながら、保健室のドアを開く。


文化祭でどこも人がいっぱいだったせいか、急な静けさにホッとしちゃう。


「先生は……いないな。」


「大丈夫だよ、頭打っただけだもん」


「全然大丈夫じゃないだろ。優ちゃん子供みたいに泣きそうになってたしな~」


「……っ、だって痛かったから。
 そんなことより朱ちゃん、私の面倒見てないで教室戻っていいよ?
 ひとりで先生待ってることぐらい出来るし」


「聞いただろ、内本が『もう来るな』って言ってたの。
 つか、なに。優ちゃん俺のこと邪魔者扱いしてる?
 ひでぇ、何年もお前の面倒見てきてるのに急に突き放すとか怖~」


「だ、だってせっかくの文化祭、朱ちゃんの時間無駄に出来ないし」


「お前と一緒にいて無駄になった時間なんてある?」


「……っ」


「わお、顔真っ赤じゃーん、かわいい奴」


「……チャラーい」


「お前限定でな」