引き下がらないクラスメートに、鬱陶しそうにため息を吐く朱ちゃん。
内本さんと呼ばれる方が、私をジッと見つめた後、思いついたと急に笑顔になる。
「そうだ!お前教室にいてくれるだけでいいからさ。
もちろん彼女さんと一緒に」
「ん?接客しなくていいってこと??」
「そうそう、ただその顔を飾りとしてうちに居てくれるだけでいいから」
「内本お前、違法営業向いてる性格してるよな。」
「うちのクラスが黒字だったら鼻が高いじゃないか。
そのためなら俺、お前に土下座だってしちゃう」
「いつも授業中寝てる奴とは思えないほどの商売根性で笑える。
でも駄目、優乃と文化祭デートしてるし」
「朱ちゃん私いいよ?朱ちゃんのクラスでも。
座るとこなさそうだし」
「え」
どこか悲しそうな朱ちゃんの一言は、内本さんを喜ばせた。
「ほらほら彼女さんもいいって言ってることだし早速行こうぜ!
つか、朱光の彼女超可愛いね」
「下品な目で優を見るな、汚らわしい」
「いてっ!背中叩くなよ~、褒めただけなのに。
お前軽いと思わせて結構重いタイプな男だな?」
「ちょー重いよ、お前が俺の彼女だったら多分ペシャンコになってる」
「俺が朱光の彼女とか、想像しただけで吐きそう」
「冗談って言葉を知らんのか、殴りて~~」



