「いや、お前の可愛いメイド服姿を独り占めしたいけど、もう手遅れなワケじゃん??
だったらこの際思う存分メイドの優ちゃんを堪能しておこうと思って。」
「……」
「駄目?」
うるうるキラキラとした、朱ちゃんあざとおねだり光線に眩しさのあまり「うっ!」と声をだしてしまう。
「朱ちゃんず、ずるい……」
「お前俺の顔に弱すぎだろ、チョロいねぇ」
「だって~~!」
「そんじゃあ行きましょうか、あっ、手繋いじゃう?
今なら無料で絡め取っちゃう」
「なに言ってるか分からないけど……すごくチャラいよこのホスト」
「お前にだけだよーん」
ケラケラ笑いながら、朱ちゃんが私の背中を軽く押して教室から出る。
恨めしそうに私達を見ていたクラスメートの視線に気づかぬまま。



