デレデレとした朱ちゃんの顔は私には崩壊して見えるのに、遠くから見てる女の子達は「笑った顔も素敵~」と、何を勘違いしてるのか分からないけどキャッキャと騒ぎはじめるからとにかく朱ちゃんを早くこの教室から出て行かせたくなる。
「優乃~、そろそろ交代の時間だよ。」
他のお客さんの注文を取りに行こうとしたところ、芽愛ちゃんに呼び止められる。
「朱光さん居ることだし、ちょうどいいね。
これからふたりで回るんでしょ?」
「う、うん?約束はしてないけど、そうだと思う。」
「楽しんできてね~」
「ありがとう芽愛ちゃん!!」
グッと親指を立てる芽愛ちゃんに同じポーズで返して、更衣室に向かおうとしたところを朱ちゃんに止められる。
「おっと、優。お着替え?」
「うん……?これから一緒に回るんだよね?」
「俺はそのつもり。つーか、そのままメイド服で回るのもアリだろ?」
「えっ……?!」
朱ちゃんあんなにメイド服を着ること嫌がってたのに。
急にどうしたんだろう。
分かりやすい表情で疑うように目を合わせる私に、朱ちゃんはポリポリと頬を掻く。



