朱ちゃんに聞いた私がバカだった。
やっぱり色気って大事なのかな……。
ねぇ、どうしたら振り向いてくれるの?
こんなに近くにいるのに、手を伸ばせないことが焦れったいよ~!!
今にでも暴れだしたい衝動を抑え、朱ちゃんについていく様に学校への通路を歩くと。
「おっ、あれ桜木さんじゃん。
おーい桜木さーん!!」
前を歩く見慣れた人の背中を見て、朱ちゃんが叫ぶ。
朱ちゃんの声に振り向いたその人は立ち止まって、私たちが近づいてくるのを待っていた。
「朱光、今日も朝から元気だね~」
「まーね。朝から可愛い幼馴染みが起こしてくれますからね」
朱ちゃんがそう言うと、桜木さんの目が私に向いた。
「あ、の。おはよう……ございます」
「うんうん優乃ちゃん、おはよー。
はいこれ、目覚めの悪い朱光を起こした褒美あげる」
「えっ」



