抵抗しても甘い言葉を囁かれるだけで、身をよじっても男の人に力が敵うわけなくて。
少しだけ朱ちゃんが体を浮かせてるとはいえ、抱き潰されてしまいそうだ。
「優、俺怒ってんの。俺にメイド服のこと黙ってたら、他の男が最初にお前のメイド姿見てたわけだろ?」
「最初に見るのは軽く服のお直しする葉純ちゃんだと思うよ?」
「おバカ、そんなこと言ってんじゃねーよ。
朱ちゃんはな、どんな時も一番に優先してほしいんだよ」
「でもメイド服は朱ちゃんに見られるのが一番恥ずかしかったから……」
「まあ確かに、俺だったら恋人がそんな姿してたら脱がすしな」
「えっ?!」
フリルの間に指を引っかけられ、せっかく葉純ちゃんが可愛くアレンジしてくれたのに縫い目がほどけないか心配になるけど、朱ちゃんのイタズラは止まらない。
「どうすんだ?他の男がこんなことしてきたら。」
「朱ちゃんしかこんなことしませんっ!」
「お前のそんな可愛い姿見て、手出さない男なんかいねーよ」
「朱ちゃんの目には私が美化されて映ってるんだよ」
「んー、鼻水垂らして頭に花咲かせてた幼稚園の頃から優は可愛いしな」
「ほらっ、やっぱり美化されてる!!」



