正直、朱ちゃんパパママにそう言ってもらえるのすっごく嬉しい。
今すぐにでも結婚したいですって言いたいけど。
隣でパンをかじってる朱ちゃんの反応が知りたくて、チラッと盗み見ると。
私とは違って、表情ひとつ崩さない平然な朱ちゃんに嬉しかった気持ちが萎んでいく。
「親父も母さんも、優の気持ち無視して勝手なこと言うなよ、可哀想だろ。
あっ、優醤油取って」
「別に押し付けてるわけじゃないわよ?
お母さんはね、優乃ちゃんとあんたがとってもお似合いだから言ってるの」
「そりゃあ長年一緒にいたらそう見えてもしょうがないだろ?
つか優乃に結婚とか意識させんな、こいつにはまだ早いんだよ恋愛とか。
おい優、口にご飯粒ついてるぞ。ほらティッシュ」
「あっ、ありがとう朱ちゃん」
朱ちゃんが私の口に軽くティッシュを押し当て拭う。
その様子を朱ちゃんパパママは苦笑いしながら見ていた。
「……ねぇお父さん、あのふたりあれで本当に付き合ってないわけ?」
「……完全に旦那と嫁のやり取りだよねママ」
「言ってることとやってることが違うのよね、朱光は」



