学校の支度を終えた朱ちゃんと部屋から出て、リビングに顔を出す。
寝起きの悪い朱ちゃんをいつも起こしてくれるお礼にと、朝御飯は毎朝京堂家で食べるのが日課となっている。
今日もテーブルには、朝から重たくならないようにと配慮された美味しそうな目玉焼きと食パンがあって。
イスに座ると、朱ちゃんと朱ちゃんのお父さんとお母さんと一緒に手を合わせてご飯を共にする。
「優乃ちゃん、ごめんね?いつも朱光のこと起こしてもらって。
この子優乃ちゃんじゃないと起きてくれないのよね……」
申し訳なさそうに言う朱ちゃんママがため息を吐く。
「いえいえ!朱ちゃんが朝弱いこと昔から知っているので、起こすのも今じゃ日課ですよ」
「……ほんと優乃ちゃんはいい子よね、昔から。
おばさんね、朱光と優乃ちゃんが結婚してくれたらそれ以上の安心はないわ。」
「えっ!!??」
「どう?優乃ちゃん、うちの朱光引き取ってくれない?」
「そりゃあいいね母さん。優ちゃんとこと俺ら家族ぐるみで仲良いし。
優ちゃん、こんな奴だけど顔は良いし性格も悪くないと思うんだよね。」
「えっと……あの」



