「優」
優しい声で名前を呼ばれて、恐る恐る体ごと朱ちゃんに向けると、「んっ」と手を広げていた。
もちろん我慢できずに飛び込むと、熱が宿る乾いた髪を優しく撫でられるから、胸がきゅ~って痛いくらいに朱ちゃんでいっぱいになる。
「優だけがドキドキしてると思ったら大間違い。
年上の朱ちゃんは、余裕ある振りしてるだけ。
本当はもっと触りたいよ、お前に」
「でも朱ちゃん、私の事からかってばかりでそんな素振り一切なくて不安になっちゃうよ……」
「可愛いからお前をいじめたくなるの。
どうしたら許してくれる?」
「もっと私の事好きになってくれたら許してあげる」
「あー、これ以上好きになったら俺死んじゃう~。
つーわけでキスで許してね」
「っ」
朱ちゃんが食らう様にキスしてきた。
自然に下がってくる瞼が目を瞑らせる。
ボーッとする頭の中からは、さっきまでの不安が消えていて、朱ちゃんって天才だと思う。
キスひとつで私のこと黙らせるなんて。
悪い幼馴染みだよ。



