青薔薇の至愛




眉を下げて、チラッと私の方を見る泉先輩。



捨てられた子犬のような目を向けられると、何て言っていいかわからなくなる。



「あっ、私のことは気にしないでください……!
 朱ちゃん、私先に帰るね!!」


「いや、優1人じゃ危ないだろ」


「大丈夫だよ、お家すぐ近くだもん!!
 それじゃ……!」


「おい優」



逃げるようにスカートを揺らしながら走った。


可愛くない態度……とっちゃったかな。


朱ちゃんが誰にでも優しいって知ってるのに、……昔から分かってることのに
なんでこんなに胸が痛いんだろう。



あの状況で泉先輩をひとりで帰らせるなんて、誰だってしない。


私が男の子だったら、間違いなく家まで送る。


だから嫉妬なんて、意味ないことなのに。




「あーー!!朱ちゃんと恋人になれたのに、前より欲張りになっちゃって、彼女としてうまく話せないよー!!」