本当に心配してくれる朱ちゃんはいつだって私を一番に考えてくれるけど。
私だって朱ちゃんのこと心配だから、体が勝手に動いたんだもん。
泣きそうになって俯く私に、朱ちゃんが「でも、ありがとな」と頭を軽く叩いてくるから、今すぐその胸に飛び込んでしまいたくなる私は我ながらすごく単純だと思う。
「あの、二人とも巻き込んでごめんなさい……」と、朱ちゃんの背中に隠れていた女の先輩が恐る恐る顔をだして、申し訳なさそうに言う。
あっ、この人……。
さっき皐月先輩が投げたボールに当たりそうになった時に、朱ちゃんに抱き締められてた人だ。
「いや、あんたが謝ることじゃない。
えーっと、名前は」
「泉真凛。
京堂君は有名人だから知ってるよ。
さっきボールに当たりそうになった時も助けてもらったし……本当にありがとう」
「あー、あれ泉だったのか。
つか元カレなかなかヤバそうな奴じゃん。」
「うん……、最近束縛が激しいから怖くなって別れを切り出したんだけど、しつこくて」
「早めに親とかに相談しといた方がいいぞ。
何かあってからじゃ遅いからな。
それと、まだその辺にアイツいるかもしれないから、送る」
「えっ!?いや、大丈夫だよ!
迷惑かけたくないし」



