「おばあちゃん今年も来たよ。私今日で二十歳になりました!おばあちゃんが亡くなってからちょうど15年だね。5年間しか一緒にいれなかったけど、一番の思い出の5年間だったよ。」

お墓を洗いながら話した。

「あとね、私一人暮らしする事にしたよ。それで掃除してたら、おばあちゃんがよく読んでくれてた、"臆病なオオカミと優しい赤ずきん"今でも内容覚えてるくらい私も好きになってたよ。ありがとう。私ね、将来保育士になりたいのそのために今大学で勉強中。私が保育士になって歳をとったらおばあちゃんみたいにやさいし人になるよ。約束する。今日はもう、帰るね。また来年来るよ。」

 私はゆっくりと来た道を歩いた。おばあちゃんでもついて来れるように。


 それから6年がたち、私は保育士になった。

保育園はいろんな小さい子にふれあえる場だ。

 ここはおばあちゃんがいた頃の私と同じくらいの子がたくさんいる。私みたいにわがままな子もいれば、静かな子、やんちゃな子、泣き虫な子いろんな子供がいる、十人十色の綺麗な場所。

 私は26歳になり3年間付き合った人と結婚をすることにした。彼は優しくて私と同じ保育士でお互いに理解があった。それもあって結婚をきめた。

「おばあちゃん今年はこれから結婚する奏さんと来たよ。この後お母さん達に報告しに行きます。お母さん達より先におばあちゃんに知ってほしくて来たよ。」

「はじめまして。伊藤奏といいます。この度はお孫さんと結婚させてもらいます。」

私はクスッと笑ってしまった。 

「え?」

「そんなに堅苦しくならないで。おばあちゃんは奏くんと同じで優しいから怒ったりしないよ。」

「そうなのか、ありがとう。おばあさん、どうか私達二人を見守っていてください。」

「私からもよろしくお願いします。じゃあ私達行くね。これからは二人で、いつかはひ孫と毎年来るからね。」

私達は、おばあちゃんにお辞儀をした。

 それから二人でお母さん達に報告しに行った。二人は微笑みながら涙を流して喜んでくれた。