カレシとお付き合い② 森君と杏珠



 いつのまにか、非常ベルの音が止んでいた。

 消防がくるまで、森君は木の近くにいてくれた。

 メソメソ、
私はしゃべった。


[森くん、
 わたし、
 ちゃんと話したくて
 あんな事言って]


[うん、]


[でも、森君、
元カノと抱き合ってた、
うーえーん]


[あれ?もしかして見てたの?
ごめんね、いっぱい傷つけて。
入ってきてくれたら助かったのに]


[えっ? ]


[無理やりだよ、
男女逆だったら、強制わいせつだって怒ったら、もうしないよって言ってた]


[そうなの? 
じゃ。誤解しちゃったのかな、私⋯⋯ ]


[誤解だよ]


と森君が言い切った。
それから、優しい声で言った。


[オレ、自分から好きになるのも、告白するのも初めてなんだ⋯⋯ ]


距離があるけど、彼は私を見ている。


[ちゃんと伝えられてなかったみたいだ⋯⋯ 。
オレ、ダメだね]


って後悔する声が電話越しに耳をくすぐった。


[私、
私の方こそ、
話を聞いてなくて、思い込んで、分かってなくて⋯⋯
変なこと言って⋯⋯
森くんにもっと聞いて欲しいし、もっと聞きたい⋯⋯
全部聞きたい⋯⋯

 えーん

森くんに会いたい
会えなくなるって怖くて
どうしたらいいか分かんなくて、
怖かったよ。

 えーん

一緒にいたいよ、
森くん⋯⋯ ]


森君はずっとちゃんと聴いてくれた。