いつのまにか、非常ベルの音が止んでいた。
消防がくるまで、森君は木の近くにいてくれた。
メソメソ、
私はしゃべった。
[森くん、
わたし、
ちゃんと話したくて
あんな事言って]
[うん、]
[でも、森君、
元カノと抱き合ってた、
うーえーん]
[あれ?もしかして見てたの?
ごめんね、いっぱい傷つけて。
入ってきてくれたら助かったのに]
[えっ? ]
[無理やりだよ、
男女逆だったら、強制わいせつだって怒ったら、もうしないよって言ってた]
[そうなの?
じゃ。誤解しちゃったのかな、私⋯⋯ ]
[誤解だよ]
と森君が言い切った。
それから、優しい声で言った。
[オレ、自分から好きになるのも、告白するのも初めてなんだ⋯⋯ ]
距離があるけど、彼は私を見ている。
[ちゃんと伝えられてなかったみたいだ⋯⋯ 。
オレ、ダメだね]
って後悔する声が電話越しに耳をくすぐった。
[私、
私の方こそ、
話を聞いてなくて、思い込んで、分かってなくて⋯⋯
変なこと言って⋯⋯
森くんにもっと聞いて欲しいし、もっと聞きたい⋯⋯
全部聞きたい⋯⋯
えーん
森くんに会いたい
会えなくなるって怖くて
どうしたらいいか分かんなくて、
怖かったよ。
えーん
一緒にいたいよ、
森くん⋯⋯ ]
森君はずっとちゃんと聴いてくれた。


