迷子のくまちゃんが無事に娘の手元へ戻ったのを見届けたので、そろそろ夕食の準備へ取り掛かろうとしたらスマホが鳴った。

『もしもし?椿?』

「もしもし。椿です。
 岳さん、どうしたんですか?」

『今日から両親たちが来れないだろ?
 だから夕食は俺が用意するから、椿はいろはと遊んだり、休めそうなら休んで待ってて。』

「やったあ~
 嬉しいです!!
 ママたち今日から温泉旅行だから久しぶりに私が作ろうかなと思ってたけど岳さんに甘えちゃいます!!」

『やっぱり。自分で作ろうとすると思った。
 椿。3年ぶりで色々わすれちゃった~って母さんたちに話してたろ?
 ちゃんと、聞いてたからな。
 経産婦だからって余裕かましたらダメだからな。
 体重だってこの前の診察で注意を受けたし貧血だって出てたよな?
 薬はちゃんと飲んだか?
 母さんたちがいないから、まあ、いっかじゃダメだぞ。
 椿?聞いてるか?
 じゃ、18時には着くように帰る。
 風呂、滑らないように気を付けろよ。』

相変わらずのやり取りですが、春には二人目の赤ちゃんを迎える予定です。

「うふふ。はい。
 そんな岳さんが大好きです。」

『椿。仕事中。』
 と照れながら『ありがとう。僕は愛してるの方だが。椿が赤ちゃんの時から。』







あなたには一生、敵いそうもない。





四人になっても変わらず、ゆっくり、ゆっくり歩んで行こう








end