無事に診察を終え、帰宅するーーーー。


「岳さん、今日はありがとうございました。
 病院までの道のりもですが、待合室も診察も一人だと心細い思いをせずにリラックスできました。」

コトンと、テーブルに置かれたマグカップ。
もちろん中身はほうじ茶だ。
予測していた妊娠。
コーヒーを止めさせて良かったとほうじ茶を一口含み安堵する。

「椿も休もう。
 隣においで。」

現在妊娠四週目、まだ小さいので心拍は確認出来ず次回の診察で心拍が確認出来れば母子手帳が貰えると医師が説明していた。
出産までの道のりがいかに大変で無事に誕生する事はいかに凄いことなのかを。。。


病院から貰ったまだ小さな我が子が写った写真を愛おしそうに眺めている。

「不思議ですね。
 こんなに小さな丸い子が少しずつヒトの姿になるなんて。」 

「そうだな。
 だからこそ、大事にしたい。
 お腹の子だけじゃなく、椿の事も。」

「ありがとう…ございます。」

説教臭くなりたくないが、椿の事だ。
今までの生活に少しだけ気を付ければいいとか楽天的な考えてではないかと不安になる。